塩で刺身を食べる?!🐬 能登の海水塩と、お刺身の相性を検証!

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能登の海水塩と、お刺身の相性を見つけました!

皆さん、こんにちは。

石川県金沢市生まれ育ち、ココサイカ店長の箕田啓子です。いつもありがとうございます。

ココサイカは「石川県で作られた、小さくてもキラリと光る美味しいものを全国にお届けします」をコンセプトに、ネットショップで石川の素敵な食品をご紹介しています。

石川県や加賀、能登、金沢が大好きで、この地で過ごす日々の楽しみを綴っています。今日は、日本の食文化の基本であり、能登の恵みでもある「お塩」にまつわる、ちょっとした食の探求のお話です。

🥢 「お塩でお刺身」という新しい発見

石川県といえば、日本海に面した海の幸の宝庫。新鮮なお魚をいただく機会も多いのですが、「お刺身は醤油で」という固定観念、皆さんはお持ちではないでしょうか?

実は以前、能登製塩さんの社長さん(故・典子さん)から、

「うちのお塩はね、美味しいからお刺身で食べるのが一番おすすめねんよ~」

と教えていただいたことがあります。

また、シェフをされている方から、陸の塩(岩塩)は肉に、海の塩は魚に合うという教えを受けたことも、この「お塩でお刺身」への興味を強くしました。能登のお塩は、まさに日本海の海水だけから生まれた「海の塩」。これは試さないわけにはいきません!

能登製塩さんの工場長さんからは、浸透圧でお塩が魚の身にしみ込み、旨みを引き出す効果があるという、科学的なお話も聞かせていただき、期待は高まるばかり。

早速、近所のスーパーでお刺身を買って、いざ、実食へと向かいました。

💎 なぜ能登製塩さんは「非直火式」なのか

さて、実食レポートの前に、能登製塩さんのお塩が、なぜこれほどまでに繊細で美味しいのか、その秘密をご紹介させてください。

能登のお塩といえば、海水を塩田に撒いて天日で乾燥させる「揚浜式(あげはましき)」が伝統的な製塩方法として有名です。しかし、能登製塩さんが採用しているのは、昔ながらの「揚浜式」とも違い、機械を使う他にはない、ちょっと珍しい方法なんです。

なぜわざわざそんな方法で塩を作っているのか?それは、能登製塩さんの創業者の、お塩に対する哲学があるからだそうなんです。

創業者は、

  • 「”良い塩”というものは煙を出さない」
  • 「海水を堰き止めて、太陽の光と風で自然結晶となった塩が本当にいい塩だ」

という強い信念をお持ちでした。

🌊 海の恵みをそのままに閉じ込める「非直火式・低温製塩方式」

この思いから、独自の製塩システム、「非直火式・低温製塩方式」が開発されました。

直火を使わず、風を送り、温めた槽(そう)でじっくりゆっくり4昼夜かけて海水を湯煎して濃縮していく、という手法です。言ってみれば、清潔な自然の環境を、機械の力で再現しているのです。

こうしてゆっくりと濃縮された珠洲(すず)の海水からは、ピラミッド型の、キラキラと輝く美しい結晶が生まれます。

直火で一気に煮詰めるのではなく、低温で時間をかけることで、海のミネラルがそのまま残った、雑味のない、優しいお塩ができるのです。

お客様のお手元に届くころには、ざくざくとした大粒のお塩として砕けてしまい、ピラミッドの形を見ることはできませんが、そのざくざくとした食感と、濃い塩気の中にあるほのかな甘みは、この製法から生まれている証拠です。

↓うちにある袋の中に小さいピラミッド残っていました!

また、製塩の過程で、最初に浮いてきた硫化カルシウム(ニガリや石膏ボードの原料にもなる成分)や塩化カルシウムといった成分を、不純物として丁寧に取り除くことで、なるべく純粋で優しい味わいの塩(塩化ナトリウム)を作ることにもこだわっていらっしゃいます。

この、手間暇を惜しまない「非直火式・低温製塩方式」こそが、能登製塩さんのお塩が持つ、まろやかな旨みの秘密なんですね。

 

👩‍🔬 店長、実食レポート!

能登のお塩の秘密を知って、いよいよ実食です。今回は、さまざまなお刺身との相性を探ってみました。

 

✅ 白身魚(タイ、ヒラメ)とイカは大成功!

 

まずは、淡白で上品な味わいのタイヒラメから。

能登のお塩をほんの少し乗せていただくと……**「美味しい!」「甘い!」**と思わず声が出ました。

お塩の持つまろやかな甘み優しい旨みが、白身魚の繊細な風味をそっと持ち上げてくれる感じなんです。お醤油のように魚の味を上書きすることなく、あくまで魚が主役。魚の新鮮さと旨みがダイレクトに伝わってきて、本当に美味しい。

そして、イカの刺身も大正解!ねっとりとしたイカの甘みに、お塩の旨みが加わり、噛むほどに味が深まります。イカの持つ自然な甘みが、より一層際立ちました。

結論として、淡白で繊細な旨みを持つ白身魚やイカにこそ、この能登の海水塩の真価が発揮されると感じました。

 

❌ マグロと鰤(ぶり)は…お醤油派

次に、赤身のマグロと、脂の乗った(ぶり)。今回は残念ながら地元の鰤ではありませんでしたが、見た目は新鮮そのもの。

期待を込めてお塩を試したのですが……。

うーん、残念ながら、マグロのような味が濃く、風味や脂の旨みが強い魚には、お塩はあまり合いませんでした。お塩のまろやかさが、逆に魚の**「生臭さ」**を際立たせてしまったような印象を受けました。

やはり、マグロや鰤の強い個性は、お醤油の**「コク」や「甘み」**といった、同じく強い味で受け止めてあげることが、一番美味しいのだと再認識しました。

 

😌 やっぱり落ち着く、金沢の甘い醤油

 

口直しに、いつものお醤油を。

私が愛用しているのは、金沢の「ヤマト醤油味噌 の 上級醤油」。石川県の食卓に欠かせない、甘口のお醤油です。

このお醤油をつけた鰤を一口いただくと……「うん、これだわ」と深く頷く美味しさ!この甘じょっぱく、とろっとしたコクが、鰤の脂と風味を丸ごと包み込んでくれるんです。

これぞ、「私の知っている石川の味」

(刺身の写真じゃないけどヤマトの上級醤油です↑)

能登のお塩の新しい感動を知りつつも、最後は地元の甘いお醤油でホッとする。最高の食体験でした。

 

🛒 能登の恵みを、食卓に

 

能登の海水塩を、お刺身で試すという探求、いかがでしたでしょうか。

タイやヒラメ、イカのお刺身に能登のお塩。ぜひ皆さんも試してみてください。きっと、お魚の新しい美味しさに出会えますよ。

能登半島は、今年の地震で大変な被害を受けました。

↑こちらは、地震の前に撮られた能登製塩さんのすぐ後ろの海。

この場所が今は・・・

岩礁になっています。

(手前の黒いのは私のおにぎりです。この写真しかなかった・・・)

地震で土地が隆起して、海が遠くなってしまったんですね。

これまで使っていたパイプでは短くて、海の水を引けなくなってしまいました。今は語りきれないほどの試行錯誤をされ、遠のいた海から海水を引き上げていらっしゃいます。

 

能登の文化、伝統、そしてこの素晴らしい「食」を守り抜こうと、多くの方が前向きに頑張っていらっしゃいます。

私たちココサイカも、石川県金沢市から、能登の素晴らしい商品を全国の皆さまにお届けすることで、少しでもお力になれればと思っています。

能登製塩さんのように、小さな会社でもキラリと光る情熱と美味しさが詰まった商品を、これからも大切にご紹介していきますね。

ぜひ、お店にもお立ち寄りください。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

ココサイカ店長

箕田啓子