こんにちは
商業界石川県同友会 会長の箕田啓子です。
10月28日(火)に開催されて例会の様子を、初めて参加される若い方にも分かりやすく、そして心を込めてご報告させていただきます!
先日の例会にご参加くださった皆様、本当にありがとうございました。皆様のおかげで、今回も学びと交流に満ちた、素晴らしい時間となりました。心より感謝申し上げます。
🙋♀️私たち「商業界石川県同友会」ってどんな会?
商業界の理念と石川県同友会の魅力
当会は、「店は客のためにあり 店員とともに栄える」という理念を掲げた、勉強熱心な商人の集まりです。歴史は古いですが、現在は私を含め30代・40代の若手事業者が幹事となり、楽しく、真剣に「商い」を学んでいます。
初めて参加される若い方のために、もう少し詳しくご紹介しますね。
『商業界』はその理念、特に創始者・倉本長治主幹の「商売十訓」(お客様を愛し、お客様に愛される商人の心得)に共感する経営者・経営者を目指す人たちの集まりです。

石川県同友会には、会場を提供してくださったミューレ・ミューの清水さんのような大先輩から、奥村さんのように今年入られたばかりの方まで、本当に様々な方がいらっしゃいます。
会全体はかなり小規模ですが、その分、会員同士が心から仲良くなれるのが最大の魅力!「こんなこと、他のところでは口にできない…」というような経営の悩み事や、時にはちょっとした愚痴まで、本音で語り合える温かい雰囲気があります。
厳しいことを言う先輩はほとんどいません。皆さん、心から愛を持ってご自身のお商売に向き合っていらっしゃる方ばかりです。お互いのお話を聞き、自分の意見も遠慮なく言って、明日からのご自身の事業に生かせる学びを一つでも持ち帰る。そんな「楽しく、そして地元のため、お客様のためになるお商売」につながる学びの場でありたいと思っています。
🦌今回のテーマ:「地域課題を+1へ!ジビエで拓く未来の商い」
今回の例会は、先月の9月例会で山本耕平会員から報告があった、「ICC(イノベーション・クリエイション・コンベンション)」(地域に利益を生み、勢いのある企業が発表・ディスカッションする京都での大きなイベント)の流れを汲んだ企画でした。

私たち商業界のメンバーの中でも、若くして地元への貢献と未来につながるお仕事をされている方がいます。
今回は、猪のジビエ料理をいただきながら、ジビエ産業の若い担い手の方をお招きしてお話を伺うという、学びと美食のコラボレーション例会となりました。
🎤話し手の紹介:ジビエの未来を切り拓く 34歳!

今回、お話頂いたのは、
株式会社福岡商会の代表、
福岡大平(ふくおかたいへい)さん(34歳!)です。
福岡さんは、ジビエを使った食品の企画販売をされている会社を経営されています。
- 獣肉処理加工施設「ジビエアトリエ 加賀の國」の運営
- 地元の方から引き継いだ「中ノ峠物産販売所」の運営
- 小松市を盛り上げる様々な団体への所属
など、多岐にわたる活動を通して、地域に根差した事業を展開されています。
🐗例会の内容:課題解決を「+1」に変える情熱と知恵

福岡さんのお話は、終始情熱と、課題を解決するための知恵に満ち溢れていました。
1. 「獲ったら食べよう、食べないなら獲らない」
現在、農作物への被害をもたらすイノシシは数多く捕獲されていますが、食肉として利用されるのは10頭のうちわずか1頭。残りの多くは廃棄されてしまうのが現状だそうです。
- 狩猟免許は持っていても、経験のないペーパードライバーのようなハンターが多いこと。
- 農家さんは檻の設置はできても、その後の処理ができないこと。
こうした「被害の数」と「解決するための人手不足」という大きな課題があるそうです。そして、この人手不足の背景には、「商売として成り立たせることの難しさ」があり、補助金ありきの事業であることが多いという現実も教えてくださいました。
そんな中で福岡さんが掲げるのが、「獲ったら食べよう、食べないなら獲らない」というモットー。命をいただくことへの真摯な向き合い方が伝わってきました。
2. 地域課題を「+1」へ導く発想
福岡さんがおっしゃった「地域の課題や問題を『-1』とすると、それを解決『0』に、そしてその先へ『+1』にする」というお話が、とても印象的でした。
まさに、ジビエ事業の可能性を象徴する言葉です。
- 獣害(-1)を、食肉(0)にすることで解決。
- さらに、そのジビエの魅力を発信(+1)し、地元への貢献や新しい産業を生み出す。
この「+1」を生み出すために、福岡商会では、「生産・販売・流通・教育・継承」という5つの柱を理念として掲げておられます。特に、「教育」や「継承」に力を入れることで、次の世代に利益を生み出す魅力的なお仕事としてつなげていきたいという決意に、未来を見据えた経営者としての覚悟を感じました。
3. コミュニケーションを学び、笑いを力に
スライドを見ながらのお話はとても分かりやすく、知識の幅広さと、課題解決への知恵の多さに驚きの連続でした。
実は、昔はコミュニケーションやお話が苦手だったという福岡さん。素晴らしい発想を持つ方、勉強ができる方がいる中で、「自分は何ができるだろう?」と考えた末、「よし、お笑いだ」と(笑)思われたそうです。
そして、喫茶店でコーヒーを一杯だけ頼み、隣の席の商談をずっと聞いて話し方を学んだというエピソードに、一同大笑い。ただ話して慣れるだけでなく、「聞く」ことで学ぶ姿勢は、私たち商売人にとって、とても新鮮な学びとなりました。
😊感想:ロゴに込められた「しあわせ」の心
福岡さんのお話をお聞きして、そのまっすぐなお人柄が深く心に残りました。
特に、福岡さんが地元の方から引き継ぎ運営されている「中ノ峠物産販売所」のロゴ。ネットで検索してみると、ふたつの輪が重なり合い、まるで“笑顔”や“しあわせ”を表すような柔らかい形が描かれています。
中ノ峠物産販売所のロゴについて:
モチーフは「雲」と「幸」の二文字。日本昔話にでてくるような幻想的な「雲」のイメージと中ノ峠を訪れて下さる方々を「幸」せな気持ちにしたいという想いが込められています。(出典:小松市公式サイトより https://www.city.komatsu.lg.jp/soshiki/1020/1/2551.html)
このロゴの持つ意味を知ってから、改めて福岡さんの「地域を『+1』にする」というお話と重ねてみると、「ああ、これはこの方の心そのものなんだ」と深く納得がいきました。
獣害というマイナスを、ジビエという魅力ある食文化に変え、人を笑顔にしたいという、福岡さんのまっすぐな気持ちがあの「しあわせ」のロゴに込められているのだと思います。
🍽️会場と美食の紹介:心尽くしのおもてなし「ミューレミュー」

今回の例会会場は、商業界の大先輩である清水さんが営む、小松市にある「ミュール・ミュー」さん。石川県の豊かな食材を使った美しいフランス料理を堪能できる名店です。
1. 清水さんが大切にするお見送り
清水さんは、接客において「最初と、途中と、最後(覚えておらず、表現がおそらく違います)」の中でも、特に「最後」のお見送りを大切にされているそうです。そのお言葉通り、例会後、最後の一人まで外に出てお見送りしてくださるその姿に、心からの感動を覚えました。
もちろん、最初のお迎えも、スタッフの方がとても素敵な笑顔で迎えてくださり、「途中」も、細部にまでこだわった丁寧なお料理はもちろん、心からもてなしてくださっていると感じる瞬間ばかりでした。

2. 会員へのサプライズと心遣い
今回、私が予約の連絡をさせていただいた際も、「アレルギーのある方はいないか」「誕生日の方はいないか」「ジビエが苦手な方がいるなら言ってほしい」など、細やかな心配りをいただきました。
さらに驚いたのが、前日に参加者の名簿をお渡ししたところ、その名簿を見て、なんと参加者の方のお店の「玄米甘酒」や、「きたむらぶどう農園」さんのぶどうをメニューの中に組み込まれるというサプライズ!

お客様(今回は会員ですが)の背景を大切にし、お料理を通して表現される清水さんのプロフェッショナルな姿勢と愛に、私たちも大きな学びを得ました。
お客様のエピソードとして伺った、毎年お誕生日に利用されていた100歳を超えるお客様が亡くなられた際、ご家族よりも先に連絡があり、お参りに行ったところ、毎年ミューレミューさんで撮った写真がずらりと並んでいたというお話には、胸が熱くなりました。これこそが、お客様との「愛」と「信頼」のお商売なのだと感動しました。
3. 極上のジビエ料理を堪能
この日のメイン料理は、もちろん福岡さんが手掛けたイノシシ肉です!
「野山を駆け巡る筋肉のついた肉」と聞くと、少し硬くてクセがあるイメージを持たれるかもしれません。しかし、福岡商会さんでは、
- 自分たちが美味しく処理できる距離でしか獲らないこと
- 氷水で冷やした手でマッサージすること
- 血抜きの高い技術
- イノシシ加工業者には珍しく獣医が常駐していること
など、「無駄にしない、美味しく食べてもらうための工夫や努力」を惜しまれていません。

清水さんは、弾力のあるイノシシ肉と、

その後に人に大切に育てられた牛ヒレ肉の
「コントラスト」を楽しんでほしいという、粋な演出をしてくださいました。どちらも本当に美味しく、「ジビエはクセがあって食べにくい」というイメージを忘れて食べていました。
「臭みがなく美味しく」なった肉は、「イノシシらしい臭みがない」とイノシシ肉好きの方には指摘されることもあるとか。
イノシシ肉だけでなく、前菜には白山や小松の食材をふんだんに使ったジュレやムース(きっとフランス料理の美しい名称があるのでしょうね^^;)や、ふかふかで大きな栗の渋皮煮、綺麗なお魚料理と、すべてが繊細で美味!



さらに、デザートは、会員であるきたむらぶどう農園さんのマスカットのショートケーキを含む5種から選べて、まさに「しあわせ」の余韻に浸ることができました♪
💖終わりに
今回の例会は、大先輩である清水さんの「お客様への愛」に満ちたおもてなしの心、そして若き福岡さんの「地元と未来への愛」に溢れた事業への情熱と知恵を、同時に学ぶことができた、大変実りある時間となりました。
「お商売をする」とは、単に利益を追求するだけでなく、お客様や地域への「愛」と「誇り」を持って、目の前の課題を解決し、未来に貢献していくことなのだと、改めて胸に刻みました。
商業界石川県同友会は、これからも、様々な視点から「商い」を学び、会員同士が本音で支え合える場所であり続けます。

ご参加くださった皆様、そして素晴らしい学びと美食を提供してくださった福岡さん、清水さん、ミューレミューのスタッフの皆様に、重ねて御礼申し上げます。

次回例会のご案内・お問合せ
次回の例会も、皆様との新たな出会いと学びを心待ちにしております!
「商業界石川県同友会」にご興味を持たれた方は、ぜひおためし参加にお越しください。いつでも大歓迎です!

箕田啓子(みのたけいこ)
この記事を書いているのは 1983年生まれ 42歳のみのたけいこです。 生まれも育ちも大学も仕事も金沢、実家暮らしからの結婚後は祖母の家に夫と入ったので、一人暮らしは憧れです。
石川県が大好き! 歴史ある街並み、伝統工芸が盛んな金沢、風が気持ちよく荒れる海もまた良い能登、白山がきれいで温泉街や自然が楽しい加賀、良いところがいっぱいです。
趣味は写真とイラストを描くこと。学生時代は一年に1冊のアルバムがあるほど友人たちの写真を撮るのが好きでした。一眼のカメラは仕事のために覚えたけれど、庭の花や子供たちを撮るのが楽しいです。
夫の仕事でiPadを購入したのをきっかけに、最近イラストを描くのも楽しくなって日々のいろいろを投稿しています。
子供は10歳と6歳の息子、画家でデジタルの絵画教室を頑張る夫との4人家族。要介護5の血のつながった祖母の介護は昨年、祖母が他界し終了しました。仕事、子育て、夫の仕事の手伝いとやることいっぱいなのに時間を作るのがあまり上手じゃないのでもともとのうっかりずぼらな性格も合わさって毎日ばたばた!
車の中で飲もうと珈琲をカップに入れて鍵を開けるときに車の屋根に置いてそのまま発進、家の前の道路にコーヒーをぶちまけた回数は軽く10回は超えます。ちなみに玄関に置きっぱなしはそれ以上です。部屋の片づけと洗濯片づけるのが苦手です。
前の会社にいたときに、こだわりの残留肥料が残らない野菜を扱っていたのにほとんどのお客様に知られていなくて、問屋さんと一緒に勉強会を開催したところ「もっと早く知りたかった」という声をたくさんいただきました。こだわったものを作るのは大変な時間や手間がかかるし、それを作った人はアピールする時間や場所が少ないと思いました。こだわりや思いを持ってモノづくりをする作り手と、知って自分で美味しさを体感して喜ぶお客様をつなぐことができたことがとても嬉しくて、おしつけるのではなく、知りたい方に伝えたいだけ伝えることができるネットスーパーという道を選び、COCO彩果を作りました。
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